人気ブログランキング | 話題のタグを見る

都営三田線 余話

そういえば 
しばらく 都営三田線を使って
通勤していた時期があった

高架にある駅まで 
他の通勤客に交じって
十数分かけて毎朝歩く

朝は ひとりであることに
耐え切れず ともすれば 
くずれてしまいそうな自分から
逃げ出したい気持でいっぱいだった

毎朝ぼくは 
高架を走る電車のドアごしの空を
眺めていた

何者かに 遠くから守られている気がしていた

いつか ぼくの願いはかなえられるだろう
ぼくが その何者かに祈り続けるかぎり
必ず かなうと信じていた

そして ぼくのこの耐え難い今の状況は
何を問いかけているのだろうか
と考えた

ぼくに
どんなメッセージを送っているのだろうか

そんなことを考えながら
後方へ流れていく景色をみながら
ぼくの願いは いつか きっとかなえられる
と思っていた

亡くなった母の
「あなたは とても運がいい子なんだから」
という言葉が ぼくをかろうじてささえている

三田線の電車は
志村三丁目駅からしばらく走ると
トンネルへ入る

これで ぼくの毎朝の祈りの時間が終わった

善きことをせよ
正しき道を歩め

電車は
暗闇の中を走っている

「なにがしあわせかわからないです。
ほんとうにつらいことでも
それがただしいみちを進む中でのできごとなら
峠の上り下りも
みんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから。」

「ああそうです。
ただいちばんのさいわいに至るために
いろいろのかなしみも
みんなおぼしめしです。」

宮沢賢治『銀河鉄道の夜』
by pokkapoka-2 | 2011-08-28 00:15 | 日々雑感
<< シムラニンジンの花咲く 公園へ行こう!<志村清水坂緑地> >>